CAD利用技術者試験とは、設計・製図業務におけるCADシステムの操作、ハードウェア・ソフトウェアに関するの知識と操作を認定する資格です。
最近は、CADで図面作成を行い、データで納品するのが一般的となっており、そういった一連の業務を処理するスキルを測ります。
「CAD利用技術者試験」には、1級と2級のレベルがあり、1級は建築・機械・トレースの3つの分野に分かれており、2級は分野分けがなく共通となっています。
さらに、この資格の入門編として「CAD利用技術者基礎試験」が設置されています。
また、最近のニーズによって「3次元CAD利用技術者試験」も設置されています。
ここでは「CAD利用技術者試験」「CAD利用技術者基礎試験」を紹介します。
CADによる製図スキルは、建築・機械設計等において、ともに必須事項ですが、それだけで実際の仕事ができるわけではありません。
実際の現場では、企業によって独自の規格を定めており、それに従って図面の作成を行う場合が多く、また、見やすくて、こちらの意思を確実に伝えることができる図面作成のコツを習得するには、それなりの実務が必要になります。
就職を有利にするためには1級の取得が望ましいのはいうまでもありませんが、この資格で就職を有利にすると考えるよりは、仕事のスキルアップにおける一つの通過点として捉えた方がいいと思われます。
CADの習熟度で合格までに要する時間はかなり違ってきます。
未経験者の場合、2級受験にしてもかなりの勉強時間が必要になると思われますし、どんなCADを選べばいいのかなどの問題もあるので、まずは学校に通って基本だけでも学ぶのがいいと思われます。
筆記試験については、図学の知識も要求されるので、CADに慣れている人でも一通り基礎事項に目を通しておく必要があります。
【受験資格】
1級:2級の合格者
2級・基礎試験:特に制限はありません。
【試験日】
1・2級:6月・11月
【受験地】
指定会場
【試験内容】
1級(トレース)
・実技試験(編集・レイヤ設定能力、トレース能力、投影能力)
・筆記試験(製図の知識、図面の名称、線の種類と用途、寸法補助記号、図記号)
1級(建築):
・実技試験(平面図、断面図、立面図、矩計図)
・筆記試験(建築製図の知識、設計情報の電子化)
1級(機械):
・実技試験(機構部品の作図、適切な数値(カタログ、要目表など)からの作図)
・筆記試験(機械製図の知識 )
2級:(CADシステム分野、製図分野)
基礎試験:
WBT試験
・CADシステムの基礎知識と利用、②CADを動作させるコンピュータシステム、
・ネットワークの基礎知識、情報セキュリティと知的財産、製図の基礎、
・製図の目的と一般規則、製図の原理と表現方法など、図形の基礎、三角形、四角形と多角形、円、立体図形など
【受験料】
1級:15,000円
2級:5,500円
1級・2級同時受験:18,000円
基礎試験:4,000円
【問い合せ先】
一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会